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2015年3月29日

親知らずは永久歯で最後に生える歯です。

第一大臼歯は6歳ごろ生えるので6歳臼歯といい、第二大臼歯は12歳ごろ生えるので12歳臼歯といい、第三大臼歯は18歳ごろ生えるのですが、これを18歳臼歯と呼ばず、親知らずといいます。

では、なぜ親知らずというのでしょうか。親は子供の乳歯の歯の生え始めや永久歯の生え始めをよく覚えているものです。それが、18歳ぐらいになると、子供の歯に対する親の関心も薄れてきます。つまり、いつ生えたか親も知らないからという説がよく聞く説です。

また、昔は寿命が短かったので、親知らずが生えてくる頃には、親が亡くなっていて、親が知らずに生えるからという説もあります。

いずれにしても、親知らずは現在では永久歯の本数に入っておらず、厄介な歯と考えられています。特に、下あごの親知らずは生える場所がないと斜めになったり、時には骨の中で水平状態になったりします。

そのため、骨の中の親知らずの歯冠の一部が口腔と交通していると、その部位の歯磨きがうまくいかず、常に磨き残しができます。そうすると、親知らずのかみ合わせの面や第二大臼歯の奥側の根の部分が虫歯になります。

また、よく磨けないことで、汚れがたまりやすく、その歯茎に炎症が起こり、ひどいときには口が開かなくなったりします。

下あごの親知らずが水平になり生えないときは、上の親知らずが過萌出(かみ合わせより余計に生えること)になり、かみ合わせを乱すことがあります。つまり、スムーズな下あごの動きができなくなります。

親知らずが生えるとき、後方から前の歯を押す力が生じます。代表的な例は矯正治療をして歯並びが綺麗になったのに、親知らずが生えたことで、下の前歯が再びデコボコになってしまう例です。矯正の先生は必ず親知らずの状態を確認してから、矯正の保定を終了します。

親知らずは生えるときに痛みを感じたり、生えている時でも歯茎を挟んで痛みを感じることがあります。

このように、厄介な親知らずはほとんどの先生が抜歯を勧めますが、移植や再植を行う先生のみが抜歯を嫌うかもしれません。

下のX線写真は、左右臼歯部に違和感があるということで、昨日来院した20歳女性のオルソパントモX線写真です。左側の下あごの親知らずが水平埋伏状態にあり、右側の下あごの親知らずは埋伏状態で、それを邪魔しているのが水平な第四大臼歯(過剰歯)?のよういに観察されます。いずれにしても順々に抜歯予定です。

埋伏智歯

2015年3月22日

キシリトールは、オーラルケア(株)の大竹喜一氏がわが国に紹介してから、すでにポピュラーなむし歯予防甘味料です。

天然に存在する甘味料のひとつで糖アルコールに属し、ガム、グミやチョコレートに使用されています。

キシリトールはトウモロコシのひげやシラカバなどからつくられます。

キシリトールを摂取しても、むし歯菌のエサにはならず、口の中のpHは5.5以下になりません。したがって、酸の発生が抑えられ、むし歯自体が少なくなります。

また、キシリトールは、歯の石灰化を促進し、歯を丈夫にします。

むし歯予防で使用するキシリトールはガムの形をとっているものが多いのですが、2歳以下のお子様では呑み込んでしまう可能性があるため、タブレットやグミをお勧めします。タブレットは噛まずに舐めるようにしてください。

これらの使用は一日3回で、歯磨き前、歯磨き後でも問題ありません。毎日続けると効果が大きくなります。

キシリトールと同様に、むし歯になりにくいという理由で、リカルデントガムも歯の脱灰抑制・再石灰化促進により歯を丈夫にします。

その成分は、牛乳から抽出したCPP-ACP(カゼインリン酸ペプチド-晶質リン酸カルシュウム)で、CPP-ACPが歯垢にくっつくと、歯の再石灰化に必要なカルシュウムとリン酸が放出されます。

また、口の中の酸性が強すぎる場合、CAP-ACPはそれを修正する能力を持っています。CPP-ACPは歯の再石灰化に必要なカルシュウムとリン酸が放出されるだけでなく、これらの成分をたっぷり含む唾液の分泌も促進します。

むし歯予防や歯の石灰化を期待して 、キシリトールやCPP-ACPの入った製品をお勧めします。

下の写真は私のクリニックで販売している製品です。
キシリトール


2015年3月17日

むし歯は口の中に棲息する様々な細菌が砂糖を食べて、歯に付着して酸を生成することにより歯を溶かした状態のことをいいます。

通常、この現象は口の中のpHが7.0前後の中性状態が、pH5.5以下の強い酸性状態になり、それが継続されると歯が脱灰され、虫歯はできてしまいます。

しかし、幸いなことに口の中には唾液があり、その唾液の緩衝作用(酸性やアルカリ性の状態を中性に変化させて保つ働き)により、飲食後の酸性状態を速やかに中性状態に戻してくれます。

一方、レモンやミカンなどの柑橘類の酸性度が強いことは知られていますが、清涼飲料水がそれ以上に強酸であることは意外に知られていません。たとえば、コーラのpHが2.2、栄養ドリンクは2.9とほとんど強酸です。

たとえば、コーラを入れたコップに抜歯した歯を漬けておくと数日で溶けてしまいます。このことを酸蝕症といい、細菌が関係しないでむし歯と同じ状態(脱灰)を引き起こすのです。

どちらも酸性状態で歯が脱灰される現象です。

唾液の出方が悪い人口腔乾燥症の方は、この緩衝作用が乏しくなるためむし歯になりやすく、また、一日のうちで唾液の量が減る睡眠時は特に注意が必要になります。

つまり、pH5.5以下の飲み物は歯を脱灰する可能性があり、夜寝るときの歯磨きが重要なことがわかります。それでは、飲んだまま寝ても大丈夫な飲み物は何でしょうか。

当然、pH5.5以下の飲み物は脱灰が生じるので危険です。では、pH5.5より大きいもので豆乳pH7.3、牛乳pH7.0ですが、糖分が含まれており、酸蝕症にはなりにくいものの、普通のむし歯にはなる可能性があります。

その結果、夜の歯磨き後で寝る前に飲んでそのまま寝ても虫歯の心配のないものは水、お茶、無糖のコーヒーということになります。

下の図は、主な食品・飲料のpH値の一覧です。ぜひ、これを参考にしてください。

主な食品7・飲料のpH

2015年3月 9日

むし歯菌が、食品の糖を代謝してネバネバのプラークをつくって唾液の防御を阻み、その中で強い酸をつくって長時間エナメル質に作用すると、むし歯を生じます。

ですから、ある食品がむし歯をつくりやすいかどうかは、①プラークをつくる力、②酸をつくる力の強さ、③食べている時間、④食べ終わっても口に残って作用する時間の長さによって決まります。

お菓子がむし歯を引き起こしやすいかどうか、これを「う蝕誘発能」と呼んで、(①+②)×(③+④)で評価されています。

つまり、砂糖が入っていなくても、炭水化物が長く口の中に残りやすいものは、う蝕誘発能が高くなります。

以下は、う蝕誘発能が高いお菓子から並べてあります。ぜひ、お子様のおやつなどで参考にしてください。

特に高い
ドロップ、ヌガー、ガム、トフィー、キャラメル
ほとんどが砂糖といえるほど糖分が多いもの。おまけに、ドロップなどはなかなかとけず、長く口の中に入っているし、キャラメルは歯にくっつきやすいので要注意!

高い
チョコレート、こんぺいとう、和菓子、カステラ、ビスケット加工品、ビスケット、クッキー、プレッチェル
糖分が多く、食べたあとも歯にくっつき、食べかすがなかなかとれません。また、チョコレートはおいしいので習慣化しがちなお菓子なので、なるべく遠ざけたいもの。

やや高い
マドレーヌ、フルーツケーキなどのスポンジケーキ、かりん糖、栗おこし、レーズンサンド、ウエハース、コーンフロスト
やはり糖分は多いのですが、ポロポロ、サクサク、パリパリの食感のものたち。糖分のわりには歯にくっつきにくい形状です。

低い
バニラアイスクリーム、甘栗、くだもの、砂糖不使用のビスケット
アイスクリームは砂糖を多く含むのですが、口の中ですぐとけ、歯にくっつく時間が短いためむし歯になりにくい。同じビスケットでも砂糖を使っていないものが、むし歯になりにくさからはおすすめ。

特に低い
せんべい、クラッカー、スナック菓子、ピーナツ
砂糖が入らないうえに、カリカリと砕けるため、歯にくっつきにくいものばかり。ただしピーナツなどナッツ類は誤飲のおそれがあるために4歳までは食べさせないで。
                                                              

2015年3月 4日

妊娠すると歯茎の溝からエストロゲン(女性ホルモン)を好む特有の細菌がみつかります。その細菌が妊娠性歯肉炎といわれる歯茎の腫れの原因を引き起こします。

一般に、妊娠するとすっぱいものが欲しくなるなど嗜好の味覚が変化しますが、これはホルモンのバランスや唾液の量が変化するためです。

もちろん、体重が増え、体の動きが鈍くなり、歯磨きもおろそかになり、不潔性の歯肉炎の可能性もあります。

しかし、ホルモンの変化で『妊婦の4割は歯茎からの出血、歯茎の腫れ』を自覚しているといわれています。

一般に、妊娠中の歯科治療は安定期(4ヶ月以降~8ヶ月ぐらい)であれば、ほとんどの方が問題なくできます。

X線撮影に関して、デンタルX線では直接お腹にX線があたるという事はありません。また撮影部位が子宮から離れているため、防護エプロンを着用してお腹周りを保護しますので、赤ちゃんへの影響はないとされています。

局所麻酔薬の使用に関しては、歯科領域で使用される麻酔薬(キシロカイン)は通常の使用量で催奇形性が認められるものはなく安全に使用できます(この局所麻酔薬は、無痛分娩にも用いられています)。

また、基本的にはお薬の投与はしません。しかし、痛みがひどい場合や化膿して腫れている場合などは、必要があれば産婦人科の担当の先生と相談した上で投薬します。

その場合、歯科で頻用されるセフェム系抗生剤は「臍帯や授乳中に分泌されにくく、胎児・乳児への移行が少ない」とされ、鎮痛薬で最も安全性が高い薬剤はアセトアミノフェンとされています。

妊娠前に歯科医院へ行き、歯科治療を済ませておくことが一番大切です。妊娠の歯科治療で、私たちが一番困るのは、『智歯の歯茎が腫れて痛い』と来院される方です。抜歯することはできますが、お薬を投与することになるからです。

また、妊娠中には母子手帳を持参して、検診に来院してください。歯磨きの状態、歯茎の腫れなどを確認してアドバイスします。

下の写真は、歯と歯の間の歯茎が赤く腫れた典型的な妊娠性歯肉炎の写真です。

妊娠性歯肉炎

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比佐デンタルクリニック 院長 比佐進吉 比佐デンタルクリニック
http://www.hisa-dental.com/
院長 比佐進吉

大学病院時代そして開業してからも、休むヒマなく歯科の研鑽と診療に取り組んできました。今は、夏休みやお正月休みに少しお休みをいただき、旅行に出かけたり趣味の音楽を楽しんだりしています。

【経歴】
1980年 日本歯科大学新潟歯学部卒業 同学部歯科矯正学教室助手
1982年 日本歯科大学大学院歯科矯正学入学
1986年 同大学院修了 歯学博士授与
1987年 日本歯科大学新潟歯学部歯科矯正学教室講師
1990年 矯正学教室退職後、非常勤講師
1990年 内藤歯科医院勤務
1991年 比佐デンタルクリニック開設、院長就任
自立支援医療機関(育成・更生医療)および顎機能診断施設指定
2003年 医療法人社団運上会 比佐デンタルクリニックに組織改編、理事長就任